セミリタイアもどきの中年ニートブログ

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2018年よりセミリタイア中。50過ぎ独身男の備忘録

田丸雅智さんの『ショートショート列車』を読みました

読書

田丸雅智さんの『ショートショート列車』を読みました。
田丸さんの本は前回の『ショートショート診療所』に続いて2冊目です。
今回のは都道府県別に全47編のショートショートになっています。

ショートショート列車

上記に書いたとおり、都道府県別に各1つずつ、その地方ゆかりのものがテーマになっています。何編か個人的に特に面白いと思ったのを挙げていきます。

 

岩手・・・河童の釣り堀

遠野で見かけた河童の釣り堀。糸の先にきゅうりのついた竿を渡されて釣り堀の中を見た主人公は濁った緑色の水の堀の中に無数の河童が蠢いているのを見て度肝を抜かれます。店員は、釣り上げるまでの壮絶な戦いが巨大魚に匹敵するエキサイティングな釣りとなっているというが。。。

 

河童がきゅうり好きって有名ですけど、どこから来たんでしょうかね。

こちらが河童の釣り堀と思っているけど、実は・・・ってところが面白いところです。

宮城・・・政宗の月

展示している伊達政宗の兜は模造品と話はじめる男。

展示していない本物の兜の上に輝いているのは三日月ではないという。

その秘密とは。。。

 

実際の月と同調していて、最近見つかった月の表面をよく観察してみるとあるものが・・・・ってオチがいいです。まあ、予想つきますけども。

茨城・・・ナットゥーマン

ご当地ヒーローの募集に応募した主人公。

その名もナットゥーマン。聞いていた話と全然違って。。。。

 

茨城といえば、納豆ですね。最近は関西でも普通に食卓に並んでいることも多くなりました。昔より臭いが抑えられているような気がします。

ナットゥーマン、スパイダーマンみたいに糸を吐きますけど、実際あったら、ネバネバしすぎでしょうね。

千葉・・・チバリョーシカ

千葉のとある長寿の町を訪れた主人公。土産物屋で目を引いた親指ほどの人形は落花生に顔が描かれたものだった。店主がいうにはチバリョーシカというものらしい。その名のとおり、殻をむいてもまた殻付きの落花生が出てくるとか。。。

 

これは単純に何故マトリョーシカから発想したのかが、不思議に思って印象に残りました。

 

東京・・・虎柄の

最近の山手線のラッピング車両、ある日走行中に溶けてしまう事件が発生。溶けてしまってできたものはバターだった。何故か虎柄の車両だけがバターに。虎柄車両を禁止にするのはなんだかもったいない気がして、解決策を国民から募集したところ。。。

 

絵本『ちびくろサンボ』からの着想ですね。

「トラが木の周りをぐるぐるぐるぐると回り、バターになりました」ってやつです。

でも多分知らない人が多いでしょうから、何のことかさっぱりわからないでしょうね。

新潟・・・コメ入社

米どころの新潟には一風変わった習慣がある。新潟では作る米、コシヒカリのクオリティが高いほど、人物評価が高くなり、その効力は子にも及ぶという。これを新潟では親のコシヒカリというとか。主人公は親斡旋で地元の大企業に入社することができたが、コネならぬコメ入社に悩む毎日。ある日先輩から飲みに誘われ、悩みを相談したところ。。。

 

親の七光りがコシヒカリ、コネ入社がコメ入社。親父ギャグですね。

長野・・・賭けソバ

長野にあるソバ粉の割合を当てる賭博場。青年は負けに負け、持ち金を使い果たさんとしていたところ、隣の男が店主に向かって、イカサマをしているだろうと指摘して。。。。

 

男がソバ粉の割合をバンバン当てていくのですが、当てれる理由がなるほどと思いましたね。逆の発想というか、こういう発想が好みなんですよね。

福井・・・トンボの眼鏡

福井の鯖江に来た主人公。夕景の中、トンボの群れを見て、ノスタルジックな気分に浸りながら、眺めていると、どのトンボも2つの複眼にちょこんと小さな眼鏡をかけている。。。。

 

群れの中にいる眼鏡をかけていないトンボのオチ、面白かったです。

ちなみに裸眼ではないです。

奈良・・・イチョウ鹿

知人の自宅を訪れると、庭に何頭もの鹿がいた。

話をきくと、普通の鹿ではなくて、角にイチョウが生える特別な個体だとか。とりわけ秋は庭が黄色い絨毯に早変わりして壮観だというが、管理には手間がかかるという。。。

 

鹿の角にイチョウ。面白いです。秋のイチョウ並木はいいですけど、アレがなあ。

食べたら美味しいですけどね。

兵庫・・・明石の漁

兵庫に来て、明石焼きの店に入った主人公。出された明石焼きを出汁に浸して三つ葉を落とした瞬間、それが出汁の中でもぞもぞと動き出した。店主が言うには本物の明石焼きは生き物だと。。。。

 

主食はタコで新鮮な明石焼きは未消化のタコが入っているという発想が面白いです。

明石焼きは地元では玉子焼きっていうんですよね。

タコ焼きの方が後からできたというのを知って、へえと思った記憶があります。

島根・・・出雲の神々

出雲大社には旧暦の10月に全国から神様が集まるが、ある年、新入りの神様のひとりが、交通費や宿泊費の精算を申し出たところから、紛糾することに。

デジタル化を訴え、地元にいながら、Webサービスで出雲の会議に出席する若い世代が出てきて。。。。

 

世代間ギャップを表してます。現実でも遠隔会議で済ますことができるものもあるでしょうね。出雲では神無月ではなく、神在月というというのは知ってましたが、今でも島根の人達は言うんでしょうかね。

香川・・・さ抜きうどん

香川出身の友人に紹介してもらったうどん屋の暖簾にはさ抜きうどん恵比寿屋の文字が。このうどんを食べると「さ」が言えなくなってしまうとか。。。。

 

オチのら抜き言葉の原因が実は・・というところが面白いです。

福岡・・・替え玉

福岡の友人に案内してもらった博多ラーメンの店。麺を食べ終え、スープを飲んでいると、スープは残しておいた方がいいと言われる。これが有名な替え玉かと思っていると、友人はいつもの味と違うと首を傾げる。。。。

 

ちょっとオチの予想がついちゃいましたけど、まあアリですね。

長崎・・・カステラバイト

お義母さんからもらったカステラを食べようとしたところ、妻から食べてはだめだと止められます。なんでもカステラバイトという記録メディアだとか。

カステラの薄紙を剥がして置いておくだけで、周りの音とか映像を自動記録するものらしい。再生は食べればいいだけ。

 

録画・再生の仕組みの発想が面白いです。ダジャレですけど。。。

おわりに

特に印象に残ったものを記載しましたが、他のものも着想が面白いなあと感じたものが多かったです。ショートショートは1つが短いので、息抜きに読むのに合ってますね。

他のも読んでみたいと思います。

 

velstage.hatenablog.com