マイクル・クライトンのマイクロワールドを読みました
マイクル・クライトンのマイクロワールド上下巻を読みました。
表紙の著者名にはマイクル・クライトンの下にそれより小さな文字でリチャード・プレストンと書いてありました。
どうやら、本著はマイクル・クライトンの遺稿をリチャード・プレストンが引き継いで書いた本のようです。マイクル・クライトンはジュラシックパークが有名ですが、この作品はタイトル通り、ミクロ(マイクロ)な世界が舞台です。
ちょっと話は変わりますが、ミクロとマイクロは読み方が違うだけで同じ単位のことみたいです。
マイクロは英語読み、ミクロは英語圏以外での読み方になります。
今回のような極小な世界ことだと、なんとなくミクロの方がしっくりくるのですが、ミクロマン、マイクロ波等々、日本だとどちらも使ったりしますね。
話を戻します。
あらすじ
ハワイにあるベンチャー企業のNanigenマイクロテクノロジーズのCTO(最高技術責任者)を兄に持つ生物学専攻の大学院生であるピーター・ジャンセンはある日、他の院生と共にNanigenにスカウトされます。
しかし、ハワイに経つ前日に兄エリックがヨットの事故で行方不明になり、不審に思ったピーターが事故ではなく犯罪であると暴き出そうとしたことで、CEOのヴィン・ドレイクの怒りを買ってしまいます。
Nanigenは革新的装置(テンソルジェネレータ)により、何でも小型化する技術を持つ会社でした。
ドレイクは犯罪を隠蔽するため、その装置を使い、ピーターを含む7人を百分の1サイズにマイクロ化し、彼らを密林に置き去りにしてしまいます。
小さくなってから数日以内に元に戻らないとマイクロ酔いという副作用によって、死んでしまうため、7人はジャングルを脱出し、元に戻る方法を見つけなければならなくなります。しかし、マイクロ化した彼らにはジャングルに生息する蟻、蜂、ムカデ等の昆虫類が襲い掛かってきます。また、彼らが生き残っていることを知ると、ドレイクは刺客を送り込みます。
果たして大自然の中に放り込まれた彼らは無事に脱出し、元に戻ることができるのか。。。
感想
解説にあった『ガリバー旅行記』というのが言い得て妙だと思いました。
ミクロ(マイクロ)になった人間から世界を観ると、ダニや昆虫等の生物は巨大で、食物連鎖の頂点にいた人間が一転して弱者になります。
内容としてはジャングルからの脱出行がメインになっており、上下巻でしたが、引き込まれて、一気に読破しました。
マイクロ化された7人のうち、ひとりはNanigenの技術者でしたので、これは明らかに死亡フラグが立っているよなあと思いましたが、それ以外では予想外の展開がありました。
実際のところ、プロットと一部執筆部分はクライトンでしょうが、ほとんどの執筆部分がプレストンなんだろうと思いました。
まあ、面白ければ、どちらでもいいんですけどね。
映画化しても面白いかもと感じましたが、既にそんな話があるみたいですね。